私は子供の頃、黒い土の絵を書いたら
「土は茶色でしょ?赤土の色よ」
と当時の教員に注意されたことがある。
けれど農家の実家の土は、豊かに黒く、乾いた土は灰白色で、赤だ茶色だの入る余地はなかったのだが、
仕方ないので、赤茶で土を書いて提出していた。
この本が当時あったら、
あんな不快な思いはしなくて済んだだろう、としみじみ思う。
本書の最後には土で作ったパステルもならんでいるが、
市販品にもまけない美しい色合いで、
確かにビビットな配色ではないが、白灰色あり、オレンジあり、ピンクあり、赤あり、緑あり、
日本という国はなんと豊かな土の色を持っていることか!
と感嘆の連続。
採取した地形の写真も合わせて収録されているのですが、
地層の違いがはっきり色でわかり、一か所の土でさえ、一色でないことがよくわかる。
教員にうける賞をとるための絵を描かせるのでないなら、
事実を観察する目を養いたいなら
こういう本を小学校にぜひ導入してほしい。