「土とは何だろう」,そう思った方は,迷わずこの本から始めるべきでしょう。
私も,正直,土とは何か,砂と土との違いは,砂に有機物が混ざったものが土,くらいにしか思えず,しかしそれで正しいのか,ずっとよく分かりませんでした。
この本は,そのあたりの,専門家なら当たり前すぎて下らないと思える部分から,きちんと解きほぐして進んでくれています。
難しくありません。専門馬鹿向けの本でもありません。
主な視点のベクトルは,農業と土との関係であることは否めません。
しかし,この本が,土そのものについて,専門外の者に,基本的視座を与えてくれることは紛れもない事実です。
それをきちんと満足させていただいた上で,農作物と土の絶妙な関係についての視点も広がるという,何とも知的好奇心を見事に満たす一冊の本でした。
勿論,私の知的好奇心と他の方のそれが同じなはずはないでしょう。
でも,「結局の所,植物にとって土は体を支える場所としての意味しかないのだ」
とか,「有機肥料って植物にとっての栄養になるわけではない」
とか,我々素人には結構ショッキングな話ではありませんか?
また,「米は,どうして何千年も同じ土で栽培されて連作障害を起こさないのか」
うーん,言われてみれば,それは不思議な話ですよね…
あまりにも身近な「土」って何だろう,と,あらためて思った方は,是非この本をお読み下さい。