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團十郎復活
 
 

團十郎復活 [単行本]

市川 團十郎
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商品の説明

内容紹介

「白血病のフルコース治療を受けました」2004年の発病から08年に実妹から造血幹細胞移植を受けるまで。團十郎の壮絶な闘病記。

内容(「BOOK」データベースより)

発病・再発・造血幹細胞移植―そして、悲願の舞台復帰へみずから綴った壮絶な闘病の記録。白血病との闘い416日。

登録情報

  • 単行本: 256ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2010/3/26)
  • ISBN-10: 4163723803
  • ISBN-13: 978-4163723808
  • 発売日: 2010/3/26
  • 商品の寸法: 19 x 12.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
息子の襲名披露公演の只中に白血病を告げられる。
そこからの生還の記録だが、単なる闘病記ではない。
治療と並行して、歌舞伎役者としての活動もしなければならず
その記録でもある。
芸能人の本というと、ゴーストライターが書くものが多いが
これは、多分、当人が本当に書いているのではないか。
自虐的な記述がけっこうあり、
こういうのは当人でないと書けないように思う。

白血病は、有名な病気だが、身近ではない。
だから、実際にどんな病状で、どんな治療法があるのかは
まったく知らなかったが、患者の視線で、実に分かりやすく書かれている。
もっとも、いったい、こうした治療にいくらかかったのかは書かれていないので
はたして一般庶民が、こんな治療を受けられるのかどうかは、よく分からない。

歌舞伎役者の日常の記録としての部分も
実に面白い。

海老蔵との父子関係も、その距離のとりかたに
互いに戸惑っている様子が窺える。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
一芸に秀でた人は、闘病も秀でているのだなあ、と、つくづく思いました。

團十郎さんの病気は、急性前骨髄球性白血病。染色体の15番と17番がくっついて起こる難しい病気だそうです。
専門的なふみこんだ説明を書いておられ、ご本人が病気について熟知していることがわかります。

だからこそ心中は嵐のような葛藤ではなかったかと思いますが、肝が据わっているというか、
取り乱さず、悲観も楽観もせず、専門家を信頼し、難しい病に立ち向かっておられます。

驚いたのは、どの段階の療養中も精力的なこと。抗がん剤の副作用がひどい時はのぞき、体調に合わせ、いろいろされています。

病院内での運動はもちろん、幅広い読書、そして、舞台の台詞をさらうなどの準備、
パソコンを持ちこんでの舞台の演出、なんと本格手な新作歌舞伎の台本執筆まで。

歌舞伎の舞台のことを考えているほうが気持ちが落ち着く、というのは、さすが舞台人。
歌舞伎のために生まれ、生きてきた團十郎さんの人生が、入院生活にもにじみ出ています。

常に舞台のウォーミングアップをし、臨戦態勢だからこそ、三度の入院後、海外公演を成功できたわけですね。

幹細胞を、一度は自家移植、二度目は同種移植(妹の市川紅梅さんがドナーに)し、復活となったわけですが、
同じ病気の方が読まれると、ここまで回復できるんだ、と、希望や勇気がわくでしょうし、
そうでない人が読んでも、背中を押されるような気持ちになると思います。
また、身近な人が難しい病になったときの接し方について、この本を読んで、ああそうか、と思い至ることがありました。

それにしても読書の幅の広さにびっくり。
時代小説はお仕事柄そうだろうと思いますが、超現代的な恋愛小説、日本の戦後政治についての専門書。
難病を得て、それでもベッドの上で、憲法を通じ日本の将来を考える姿勢に、器の大きさを感じました。
考え方の違いはあるでしょうが、この姿勢は、誰もがじぶんもこうありたいと思えるんじゃないでしょうか。

発病から回復までの間に、気づいたこと、経験したこと、思い出したことなど、
時にはブラック・ユーモアも交え、ありのままに、感じたこと、体験したことがつづられて、そこに意外性があり、おもしろかったです。

入院中の成果として収録されている「黒谷」の脚本は、歌舞伎の江戸時代の台本かと思うような台詞ですが、
歌舞伎のベテランの役者さんは、こういう作品がすらすらと書けるんでしょうか。これにも私は驚きました。
このレビューは参考になりましたか?
形式:単行本
歌舞伎に関しては、武智鉄二や三島由紀夫の言説を読んできて、彼らの言い分もそれなりに説得力があり、二人のニューバージョンもそれなりに面白く感じてはいますが、何故か本来の歌舞伎そのものにはまったく興味も感心も魅力も感じずほとんど見ていませんし、ですから歌舞伎役者に誰がいるかも知りませんでした。

だいたい様式美などというものに何の意義も見出せない愚か者の私は、もしそれをいうなら茶道くらいで充分じゃないか、なにも目をむいて意味不明の言葉をわめいたりおしろいをぬたくったりする必要などさらさらないんじゃない、と御託を並べていました。

ですから、『鬼平犯科帳』で長谷川平蔵を演じた上での中村吉右衛門とか、『御宿かわせみ』で神林東吾役の中村橋之助など、だいぶ後になってから彼らが歌舞伎役者だと知りました。

まあ、私の歌舞伎音痴のことはさておくとして、今回のテーマは他でもない、顔です。

たまたま7月17日(土)のNHK・BS週刊ブックレビューを見て、この本の特集で、司会の梯久美子が市川團十郎にインタビューしている場面に出会って、大変驚いたのでした。

なんとまあ、スキンヘッドの顔でこれほど魅力的な顔を今までに見たことがありません。

丸坊主というと、どちらかというと竹中直人や松山千春や清原和博(ごめんなさい、対比するためにやむを得なく厳選して打たれ強いタフな豪傑をピックアップしました)などのように下品で賤しく見るのも汚らわしい感じがほとんどなのに、市川團十郎の神々しいばかりの魅力的な顔はどうしたことでしょう。

拝見していて、ゾクゾクする、胸がキュンとする、引き込まれそうになる、心に鬱積していたものがパァーッと飛び散り開放的な気持ちになる、オルガスムスにも似た恍惚感を感じるなどなど、いや、これはまた、そうとういかれてしまったようです。

それもこれも、2004年の発病以来白血病のフルコース治療を受けてきて、無間地獄の苦しみを味わい死線をさまよって帰還した人だからこそ獲得しえた、いまここに生きるオーラというか、生命の青色発光ダイオードというか普通に生きてる私たちとは相容れないまったく違う生命体としての輝きを発しているからだと思います。

妹さんからの造血幹細胞移植で血液型がA型からO型に変わったことや、最新の白血病治療の詳細など、時にユーモアを交えて綴られる416日間の壮絶な闘病記ですが、ふと、4月21日に亡くなった免疫学者の多田富雄の闘病記を読んだときに感じた、豊かな知性と感性による思惟とはこういうものなのかということを、また改めて感じさせてもらって読んだ本でした。

記述日 : 2010年7月25日 11:38:47
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