国連程、日本人に誤解されている組織は無いと思います。理想と激しい国際社会の国益のぶつかり合いの現実の中でしか生きられない組織と思っていました。この本では、国連の歴史や近年の変化が語られますが、神髄は、数々の紛争を解決しようとする努力が、担当者であった筆者から淡々と述べられていることです。ユーゴスラビアには国際社会の多くの同情が集まったのに、同時に起こったアフリカの小国ルワンダの大虐殺には沈黙した国際社会。これが現実です。しかし、著者は、敗戦後、平和主義に徹して国連に加入した日本のけなげな加盟演説を引用して、国連と日本の将来をけして悲観していません。 国際問題を考える良い入門書としてお勧めです。