国際政治経済学の良テキストは近年徐々に増えつつあるが、本書は、
客観的なテキストの体裁を維持しつつも、書き手の個性がいい意味で
横溢した作品である。
左ページには本文、右ページには史資料からの引用、という版面で
構成されている。(これらをまとめるには、編集者の技術的な手腕も
また問われよう。おつかれさまでした)
読み進めていけば、「え、こんな思想家/学者も、国際政治経済学から
言及されるんだ〜」という驚きに満ちると思う。
「知性」から国際政治経済学に接近したい人にオススメできる作品であり、
こうした手堅き作品こそ版を重ねることを祈りたい。
※
本書で国際政治経済学の基礎的視座を確認できた読者は、この著者が
戦後の国際経済レジームの成立に迫った『「アメリカ」を超えたドル』
(中公叢書)に読み進めることをお勧めする。
この著者の知的態度や国際政治観は、著者が携わる雑誌『アステイオン』
(阪急コミュニケーションズ)や、著者が翻訳したメイヨール『世界政治』
(勁草書房)などによく表れている。