「国際感覚」というと、私たちの多くは、なんとなくわかる気がするが、
しっかりと説明ができない、と感じているのではないだろうか。
この難解な問題に対して、唯一の答は出さず、ICU高校に勤務され、多くの
帰国生徒と接し、ふだんからディベートやディスカッションを授業で
取り入れていらっしゃる著者の経験をいくつか紹介することによって、
「国際感覚」の輪郭を浮き彫りにしようとした本である。
国際感覚を身につけるためには、自分の意見を持ち、それを正確に伝えられる
だけの言語能力が必要なことは言うまでもないが、それだけでは不十分である。
筆者は、自分の足もとから自分の国、習慣、文化を見つめ直す視点と、
国際的な空間における自分の位置づけ、立場を見据える視点を併せ持つ
ことが重要だと主張している。
「国際人」=英語がペラペラではないことが、豊富な事例とともに紹介されて
いる。国際ということばの難しさを感じている人、英語ができれば国際人と
安易に考えている人は、読んで得るところが大きい本である。