国鉄の歴代の鋼製客車の「すべて」を写真付きで解説し、ごくマイナーな形式・形態以外には図面(S=1:200)も標準で付ける、という形で全形式を網羅しようとするJTBキャンブックスシリーズのすごい企画。かつて誠文堂新光社から出ていた
国鉄客車・貨車ガイドブックを客車だけに特化させて全形式網羅のため大幅増量させたものと言えばイメージし易いだろうか。さて今回発売されたのは第1巻で、何巻で完結するのかよくわからないが、すべてというからには最近のジョイフルトレインやブルートレインの改造客車までカバーするつもりと思われる。
さて、この第1巻であるが、
まず筆頭は皇室用客車、
続いて最初の鋼製客車オハ31系、
スハ32系(ダブルルーフ編&シングルルーフ編)、
オハ35系、
スハ43・44系、
オハ60・61系、
また系列横断的に戦災復旧車、
進駐軍接収の特別軍用車、
及び3軸ボギー客車群を解説。
基本的にボディー形状が変わるほどの改造でない限りその系列の章で解説しようとしているようで、例えばスハ32系で台車が交換されて形式が50代になってもスハ32系の章で写真&解説を掲載している。
2軸ボギー各系列の章は基本的に優等車、3等車、食堂車、郵便車、荷物車、が基本的な配列となり、その間や末尾などに適宜合造車や異端車が入る。ところで、3軸ボギーの優等車は進駐軍に接収され改造されたり、改造が無くとも形式を変更している例が非常に多いが、「これはあまりにも多いので誌面の都合で省略する」旨のお断りがある。すべてを網羅するといっておいてこれを省略するのはいかがなものか。またS=1:200の図面は少々細かすぎるのではないか。細かい文字は虫メガネが欲しいくらい。この辺の形式変遷一覧や大きな図面(形式数は多少限られるが)については同じJTBパブリッシングの
「客車・好き」戦前型国鉄客車に詳しいので併読されたい。
とはいえ、キャンブックスではあまり取り上げてこなかった客車に対して、これまでに無い意欲的な取り上げ方をする企画シリーズ。資料としての価値も高いと思うので客車ファンはぜひ見て欲しい。
追記:あとがきを見ると、「第2巻では10系〜14系、20〜24系、50系、通勤用客車、改造荷物車、事業用客車を紹介して鋼製客車の全容を解説する」とあるので、どうも上下2巻で完結のようだ。下巻も期待したい。
追記2:2009年4月下巻登場しました!→
国鉄鋼製客車II