2006年9月まで約2年半、日本国国連代表部次席
大使として国連の現場で働いてきた著者による一冊。
現場で働いてきた人の言葉だ。
確かにそこには重みがあり、納得もさせられる。
日本人が思っているほど、国連の中で力を行使できていない
という訳ではなく、今までの地道な活動の積み重ねでかなりの
信頼を世界各国から得られている。
その一方で、やはり国際政治の情報は結果的に安全保障
理事会に集約される。
そこに「常任理事国」としていることと「非常任理事国」で
いること、さらに席すらないこと、それぞれの間には彼岸の
差があると。
ここら辺を新書という手軽に読める媒体で提供し、且つ
読みやすい文章で述べているのは−国連を支える資金と人手は
加盟各国に属する普通の人に拠るのだから−好感が持てます。
2005年に行われた安保理改革の内幕や(日本はどう動いたのか
そして世界はそれをどう評価していたのか?)国連の現場で
各国から集まった外交官はどんな仕事をしているのか?、そして
何よりも他国は国連をどう利用しているのか?という点は非常に
興味深く読めました。
岩波新書から出ている国際連合(明石康著)と
併読するとより良いと思う次第です。