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国語教科書の中の「日本」 (ちくま新書)
 
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国語教科書の中の「日本」 (ちくま新書) [新書]

石原 千秋
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「グローバル化」と「伝統重視」という相反する二つの流れの中で大転換期を迎える国語教育は、無意識のうちに「日本」という感性を押し付ける教育装置になってはいないか?本書では、「古き良き日本」ばかりが描かれる小中学校の教科書を詳細にテクスト分析することで、書かれた言葉の裏に隠されたメッセージを読み解く。国語教科書批評の最前線を提示する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

石原 千秋
1955年生まれ。成城大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程後期中退。現在、早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専攻は日本近代文学。文学テクストを現代思想の枠組を使って分析、時代状況ともリンクさせた斬新な読みを展開する。また、20年以上高校国語教科書の編集委員をつとめた経験から、国語教科書や入試国語の読解を通した問題提起も積極的に行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 253ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2009/09)
  • ISBN-10: 4480065121
  • ISBN-13: 978-4480065124
  • 発売日: 2009/09
  • 商品の寸法: 17 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
本書は、日本近代文学を専門とし

現在は早稲田大学教授である著者が、

国語教育の問題点について論じる著作です。

著者は、国語教育がイデオロギー装置であると述べた上で、

個別の教材を精読し、その教材のどこに問題なのか

さらに、国語教育全体の問題点を指摘します。

「古き良き日本」を印象付ける教材

文章から「教訓」を得ようとする傾向が如実に現れたPISAの結果

休職してまで大学院で最新の知識をインプットする教師の話

など興味深い記述が多いのですが

とりわけ印象的だったのが、本書の末尾で展開される

イニシエーションとしてのセンター試験という議論です。

内面を社会に回収していく中で

言葉では言い尽くせない

不気味なものへの感度が鈍っていく

・・・という指摘は示唆に富んでおり、

自分は「そうしたもの」への感度が鈍っていないか

たえず気をつけたいと感じました。

また、もう一つの本書の大きな魅力が

著者の軽妙な語り口です。

「こころのノート」を「不気味」と評し

小学校六年生にまでなってロボットの犬と本物のイヌの区別がつかないバカがいるだろうか

と読者に問いかける文章に

思わず笑みがこぼれれてしまいましす。

国語教育の問題点を指摘するとともに

私たちの物の見方・考え方にも、再考を促がす本書。

国語教育に関心のある方はもちろん

自分自身の本の読み方を見つめなおすきっかけとしても

一人でも多くの方に読んでいただきたい著作です。
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形式:新書
 誰もが学習する国語、小学校、中学校という日本語の基礎を築く時期に全員が学ぶ教科書の分析を通じて、日本の言語教育の課題を分析し一般の人向けに書かれた優れた論考だと思う。国語が日本人としての常識、本文では道徳あるいはパラダイムとなっているが、を教育することになっていることを、いくつもの例を挙げながら紹介している。さらに、国語で教育される常識は時代とともに変化し、求められる正解も変遷することが示されている。子供達は求められる解答を書いている、というのも事実だろう。論理的に読むというのは理系的とのことだが、論理的に読む、書く、発表する、という指導は、日本では十分におこなわれていないように思う。日本人が英語が不得意である理由も、本邦における言語教育と大きく関係しているような気がしている。さてこの年頃の子供を持つ親はどうしたらよいのだろうか。
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By yukkiebeer #1殿堂 トップ50レビュアー
形式:新書
 日本の小中学校の国語教科書に収められた文章を見ることで、意識的であれ無意識的であれ、そこに織り込められたイデオロギーとしての「日本」を読み解こうという書です。

 著者が国語教科書に読みとった特徴をいくつか引くと:
 ○「おむすび」が取り上げられた文章が多く、古き良き時代のお袋の味として子どもの潜在意識に働きかける機能をもっている。少年時代の思い出という「個人的文化資本」が「共同体的文化資本」と接続可能になる。そのことによって社会や国家といったものを、同一性を保持したものとして再認識させる役割を担う。
 ○都会生活を描いた文章が少なく、「自然に帰ろう」、「昔はよかった」というメッセージが強く打ち出されている例が多い。
 ○入試の国語では現在通用しているパラダイムを身につけているかがよく問われる。入試に少し遅れてこのパラダイムが国語教科書に強い影響を与え、結果として国語は道徳教育になる。

 私自身も小中高生時代は、教師の顔色を見ながら国語教材を「正しく読み解く」ことに腐心していた記憶が鮮明にあります。中学時代に読書感想文で教師に批判されたのを機に、読書をやめてしまった経験もあります。
 本書終盤で著者は私のような、国語で×をつけられて人格を否定された思いをした人の話を記しています。自由に文章を読むということの理想と(学校内)現実との大きな隔たりをどう埋めるのか。

 著者は一つの解として、教師が生徒に対して、あなたの意見が「正解」とされるパラダイムもあり、そのパラダイムが社会の中でどういう意味をもつのかということについても考えさせる必要がある、と訴えます。そこまで考えさせることこそが「論理的思考力」を学んだことになるというのです。
 大変意義深い提言だと思います。

 しかし、これだけの深い国語授業を果たすための先生がたの能力と負担を考えると、少々暗澹たる気持ちにならざるをえません。
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