いまや日本のオートバイはどこの追随も許さない。オンロードもオフロードも、そしてGPサーキットでも。しかし、かつては欧米先進国メーカーとの彼我の差は大きかった。軍用といえども米国やドイツ車に依存し、米国ハーレーダビッドソンの国産化が「陸王」へとつながる。これが今の三共製薬(現第一三共製薬)北品川の敷地内(新幹線などからよく見える)で生産されたというのは面白い。私の世代には白バイで華々しい隆盛を誇ったメグロも倒産の憂き目に会い変転流浪の果てにカワサキ(川崎重工明石)に引き継がれる。戦後一時期には、エンジン会社からの参入も含めたこうした軍需転用や自転車メーカーなど百数十ものメーカーがひしめきあって、欧米の仕様やデザインの亜流を追ったという。
今では、確固たる4社体制となり世界に進出しており、日本の仕様やデザイン、コンセプト、ロゴが真似られる時代となり、中国などのコピーメーカーに追われ悩まされるというのも感無量であろう。しかし、その勝ち残りの4社こそが、それぞれに独自の開発や設計に情熱を傾けたのであり、その経営リーダーやチームが未来にかけた純情と情熱の成果だと納得する。
時代を築いたそんな名車の数々を目でも楽しみ、仕様や系譜をながめながら時代の流れに思いを馳せるのは、何もマニア達だけの特権ではあるまい。