本書は今回の失敗の原因を探るとともに、中国の有人ロケットの打ち上げ成功に比べ、未だにめどのたたない気象衛星ひまわりの後継機打ち上げ、火星探査機の失敗等、失点を続ける日本の宇宙開発を気鋭の科学ジャーナリストが技術・組織・行政の面から分析。
基本ポリシーの欠如、政府の無理解、貧弱な予算、現場のモチベーションの低下、基本的なプロジェクト管理能力の問題、そして安易なアメリカ追随をこのまま放置すれば、中国ばかりか、インド、韓国に追い抜かれる日も遠くない。 一回の打ち上げ失敗の裏にひそむ日本の科学行政の「大穴」を白日のもとに曝す渾身のノンフィクション。
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日本のロケットはちっとも上がらない。
気象衛星もなくなって海外の情報だけに頼るようになって、天気予報の精度も下がった。
(2つの気象衛星の天気図には結構差があったので、どちらか一つになったら予報が当たらないのも無理ない。)
「技術の開発どころか維持すらできない組織」のせいで、日本のロケット打上げは失敗ばかりしているのだ、という結論。
民間の技術結集により軌道に乗りかけていた組織に、天下りの役人を投入。
5年で1サイクルのプロジェクトのメンバーも、2年に1回の人事で総入れ替え。
一向に成果が上がらなくなったため、慌てて理系の人間を投入したが、荒れきった技術畑の再生には遠い。
基本形の実験が成功していないのに、人間関係を配慮して余剰仕様を追加して、ますます故障原因が不明確になる。
おまけに事なかれ主義が充満し、不具合はできるだけ後に送る。自分の任期中に問題にならないことを祈りつつ。
ロケットのような精密機械でなくても、通常の業務システムでもこれじゃあリリースできないでしょ。
巻末近く、ロケット関係の官庁の責任者の一覧が最終学歴を添えて掲載されている。
中国のそれは理系大学を出た研究者ばかりだが、日本のは適性よりも政治家の「フルーツバスケット」の席のひとつとして使われているとしか思えない名前が列挙されている。
象徴的である。
5年前に2年約束で種子島に単身赴任していったエンジニアの友人は、帰郷できないまま昨年離婚した。
他人ごととは思えず、痛い。
私たちにできるのは、すこしでもたくさんの声を上げ、気づかない政治に気づかせるよう努力していくことだと思います。
【子供を退屈させるべきでない】
科学技術で夢を描けないなら、何を以て子供たちに夢をみせますか?
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