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最も参考になったカスタマーレビュー
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
教科書を通した自意識の分析―すばらしい研究書,
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レビュー対象商品: 国民史の変貌―日米歴史教科書とグローバル時代のナショナリズム (単行本)
本書は日米の歴史教科書において表象されている両国の自意識が時代の変遷とともにどのように移り変わってきたのかを分析するものである。 著者は、教科書という媒体をその分析対象として選択した理由を以下のように説明している。 「本書が歴史教科書を分析対象として扱うのは、それが国家によって国民に与えられ、またそ れを与えられた国民によって国家が形成・維持・存続されていくという、われわれの社会空間 の存立にとっての重要なメディアになっているからである」(3頁) 歴史教育をめぐって90年代に論争が繰り広げられたことを考えれば、こうした前提の置き方は非常に説得力がある。 本書は、社会のグローバル化と、ウォーラーステインの「世界システム論」を関連づけ、 「中心」から「半周辺」への価値観の移動というものを、日米の比較という手法を通して 明るみに出そうと試みている。 これによって、グローバル化=アメリカ化と見なされがちな文化帝国主義批判論に対して、 ある程度の反論を試みている。 すなわち、「中心」とされるアメリカ内部での変化にも十分に配慮しなければ、近年のグローバル化 を理解することはできない、という視角を提供しているのである。 その中心内部の変化はというと、ナショナルな枠組みを堅持しつつも、多文化主義的な影響を 多分に受け、国民史の語り方がまさに変貌し、ネイションの再構成が進んでいる、というものである。 ただ、グローバル化の進行が指摘される昨今における教科書の中でも、特にアメリカにおいて あくまでネイションの枠組みというものが堅持されている、というのは注目に値するといっていい。 修正前のレビューでは勘違いをしたが、本書で用いられるグローバル化という分析概念を理解 するのに苦労した。 ただ、教科書作成プロセスにおける視線の複数化とグローバル化という現象が大きく関係して いることは、特に日本のケースで明らかであろう。
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