現代語と古語の文法を、正攻法でガッチリと教えてくれる参考書。
学生・社会人を問わず、一生使える日本語の文法書です。
本文だけでも460頁あり、学習参考書というだけではなく、文法の辞書としても利用できるだけの充実した内容となっています。
演習問題として、各大学の入試問題が収録されていますが、本書の内容を理解すれば楽勝でわかるレベルです。
小西甚一 『
国文法ちかみち』 と比較すると、本書の方がより初歩的な解説から始まり、内容も体系的にまとまっており、やさしく扱いやすい参考書に仕上がっています。
そのため、国文法の本を一冊だけ購入するのなら、本書の方をオススメします。
本書の内容は、 「国文法要説」、 「単語・品詞」、 「係り結び」、 「敬語法」、 「文節・文・文章」 という構成で、このうち大部分 (300頁ほど) の解説は 「品詞のはたらき」 にあてられており、助動詞・助詞の説明だけでも200頁ちかくが割かれています。
自立語として単独で述語となる用言 (動詞・形容詞・形容動詞) は、日本語の背骨ともいえるものですが、日本語の骨格となり独特の姿を形作っているのは、むしろ、時制や態や願望などさまざまな表現を受けもつ、付属語の助動詞・助詞のほうであることがわかります。
初版は1970年ごろ、2001年の改訂版を復刊したものが本書のようです。
国文法のめんどうなところは、文語 (古文・歴史的かなづかい) と口語 (現代文) に活用の違いがある点ですが、本書では、それぞれ 「口語 → 文語」 の順に解説。
ふだん馴染みのある口語から説明に入るため、古文重視の文法書よりも読みやすく感じられます。
口語と文語の区分は、ある程度わかりやすくなっているので、どちらか一方を調べるさいも、それほど苦労せずにすむでしょう。
本書は受験参考書の棚に置かれている書籍ですが、受験生よりも一般社会人のほうが、ジックリと楽しみながら読める参考書だろうと思います。
時間のたりない受験生にとっては、むしろ詳しすぎる内容ともいえます。
必要最小限の古典文法ならば、山本哲夫 『
やさしい古文』 だけでも試験にはパスできるかも。
国語について興味のある人は、本書とあわせて 『
国文法ちかみち』 も読むと良いでしょう。
「ちかみち」 では、言語学の考え方などを取り入れながら、より広い視野に立ち、文法のさまざまな問題点にまで言及しています。