国家神道の役割と問題を説き、戦前日本に及ぼした影響と弊害、更に戦後に於ける神社本庁への批判を含めて、国家が宗教に介入する問題点を書いた本。
但し、本書自身にも問題点が全く無いわけではなく、明治維新以降なぜ国家神道を必要としたのか、欧米に於けるキリスト教の持つ倫理観に対抗しうるものとして提示された点や、平田国学や水戸学の持つ統一国家への意識がなぜ必要としたのかなどが、説明をはしょっている訳ではないが抜け落ちているようにも見える。又、戦後の神社本庁についての批判について、あまりにも客観性に欠けている部分もある。戦後からの岩波が持つ政権批判などの匂いもあり、著しく客観性を欠いた内容もあるためにあまり共鳴できない内容となっている。
寧ろ、宗教弾圧史としての側面と、巻末の参考文献を参照する事だけお勧めするに留めたい。