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北朝鮮についての見方が新鮮だった。
「多くの日本人は、世界中が北朝鮮を『悪の帝国』と誤解している。だが、北
朝鮮と戦おうとしている国は、アメリカと日本しかいない。……金正日は、北
朝鮮内部では穏健派であるというのが、私の見方である。……いまは金正日の
権威をもってして、静かに北朝鮮を変えていくしかないと、ほとんどの国が思
っているのである。」
平穏に慣れていた日本人にとって、たしかに「拉致」の事実はショッキングで
あった。しかし、拉致問題で、私も含め日本中が沸き立っていた頃、80歳に
なる知人が「むかしは人さらいなんて日本でもよくあったことなんだけどな」
とつぶやいた言葉がいつまでも心に残った。考えてみれば、爆弾での人殺しと
拉致とでどちらが悪質か、誤解を恐れずに言えば、生かされているだけでも拉
致はまだましなのだ。そんな思いが芽生えかけたときに出会ったのがこのた
び、著者の北朝鮮に対する見方だった。
何が大切かを自分の感覚に立ち返って確認し、そこから暮らしのあり方を組み
立てなおす時代なのだと思う。そうすると案外、頭はユダヤ的金銭思想に侵さ
れてはいても、日本人の実際の暮らしは御用達経済感覚でなりたっているわけ
で、破綻の先、そこのところに光が当たるようになるのであるならば、著者の
言うように、日本の将来は決して暗いものではない。
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