ヨーロッパで著名な著者による話題の本であり、読み応えもある。
本書は、国債の歴史をたどりながら、その本質を浮彫りにしつつ、今の先進国に共通に見られる危機を見せてくれる。
特に、近現代における国債をデフォルトした国と、一方できちんと処理した国の例示が参考になる。(それがどこの国かは、あえて記さない。読んで見て欲しい。)
ただ、著者の危機感は、直近の先進国共通に見られる積み上がる負債に対してのものである。
多くは、新興国から借金をし、その場しのぎの繁栄を謳歌していると断じている。
そして、ユーロへの処方せんから始まり、最終章の提言に至る。
まず、デフォルトに対して債権者への返済を確実に行う機関として世界復興金庫を創設する。
つぎに、超国家的な仕組みをもつ破産法や国際法廷など、過剰な債務を抑制する世界的な仕組みを作る。
その上で、ケインズが提唱した国際通貨を作り、IMFを地球中央銀行に鞍替えする。
なかなか魅力的なアイデアである。
おそらく危機が、より広範にかつ深刻にならなければ、世界は動き出すことができそうにないが、重要な提言であることは間違いない。
そして、最後の著者の言葉がなかなか逆説的である。「借金とは、自分が生きている価値を自分自身に対して証明するための最高の方法である。」