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国家債務危機――ソブリン・クライシスに、いかに対処すべきか?
 
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国家債務危機――ソブリン・クライシスに、いかに対処すべきか? [単行本]

ジャック・アタリ , 林 昌宏
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

900兆円債務を抱えて、日本は10年後を展望できるのか? 〈過剰債務〉が、国家と世界の命運を決する――“欧州最高の知性”が、史上最大の公的債務に脅かされる先進諸国の今後10年を大胆に見通す! サルコジ大統領が、財政再建の“答え”を求めた書! ・ユーロは、崩壊から逃れられるのか? ・先進国の財政破綻は、起こりえるのか? ・史上6回目の“世界債務危機”は勃発するのか? ・日本は、900兆円債務を背負って、10年後を展望できるか? 現在、先進国の公的債務は史上最大に達し、10年後には、すべての先進国が財政破綻するという「最悪のシナリオ」すら試算されている。「世界金融危機」を予見し、世界がその発言に注目するジャック・アタリが、国家主権と公的債務の歴史を振り返りながら、今後10年の国家と世界の命運を決する債務問題の見通しを大胆に予測する。サルコジ大統領は、本書の理念を基に、仏の財政再建戦略の検討をはじめた――

内容(「BOOK」データベースより)

900兆円債務を抱えて、日本は10年後を展望できるのか?“過剰債務”が国家と世界の命運を決する―“欧州最高の知性”が、史上最大の公的債務に脅かされる先進諸国の今後10年を大胆に見通す。

登録情報

  • 単行本: 317ページ
  • 出版社: 作品社 (2011/1/8)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4861823072
  • ISBN-13: 978-4861823077
  • 発売日: 2011/1/8
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.4 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 西山達弘 トップ500レビュアー
ヨーロッパで著名な著者による話題の本であり、読み応えもある。
本書は、国債の歴史をたどりながら、その本質を浮彫りにしつつ、今の先進国に共通に見られる危機を見せてくれる。
特に、近現代における国債をデフォルトした国と、一方できちんと処理した国の例示が参考になる。(それがどこの国かは、あえて記さない。読んで見て欲しい。)

ただ、著者の危機感は、直近の先進国共通に見られる積み上がる負債に対してのものである。
多くは、新興国から借金をし、その場しのぎの繁栄を謳歌していると断じている。

そして、ユーロへの処方せんから始まり、最終章の提言に至る。
まず、デフォルトに対して債権者への返済を確実に行う機関として世界復興金庫を創設する。
つぎに、超国家的な仕組みをもつ破産法や国際法廷など、過剰な債務を抑制する世界的な仕組みを作る。
その上で、ケインズが提唱した国際通貨を作り、IMFを地球中央銀行に鞍替えする。

なかなか魅力的なアイデアである。
おそらく危機が、より広範にかつ深刻にならなければ、世界は動き出すことができそうにないが、重要な提言であることは間違いない。

そして、最後の著者の言葉がなかなか逆説的である。「借金とは、自分が生きている価値を自分自身に対して証明するための最高の方法である。」
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By tabopapa トップ1000レビュアー
日本人には国家が破たんするのは非常にまれな事との認識があるが、近現代史上は決してまれではない事。国家債務への戦略は8つあり、最も使われるのはインフレである事。この2つの事実を明確に展開しているのが本書。処方箋として提示されている、「復興金庫」「財務機関」等に関しては、その機能など本書だけ読んでもよくわからないのが難点。但し、12の教訓について日本の現状を考える際に役に立つものがある。でも最大の教訓は、債務危機は決して経済学で解決できるものではなく、政治力で解決すべきとの指摘。この点が日本の現状を考えると一番痛い。
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20 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By nacamici トップ1000レビュアー
世界中の先進国の財政を蝕んでいる国家債務。本書はその歴史的経緯をたどることに多くの頁をさいている。なぜ国の借金は拡大し続けるのか? それは債務を「主権者」のものからその主権者の総体であるところの「主権国」のものにつけかえる大きな転換=発明があったからだ。これにより、債務は国家が存続する限り返済を保証されることになった。これを裏返せば、国家が存続する限り、国家の構成員がこの債務を相続することになったといえる。

19世紀にヨーロッパから「国民主権」が広がると、国民がその債務を負担、継承するようになる。これは、未来の国民から借金をする仕組み、永遠の前借りシステムである。よって、アタリが明記しているように「公的予算は構造的に赤字になることが必然であり、増税によってしか公的予算のバランスをとることができない」のである。そう、この巧妙な仕組みは、たゆまざる経済成長による税収増加を前提としていた。しかし世界はフラット化し、成熟した経済は停滞する。増税は政治的、経済的にきわめて困難である。結果、「先進国の低い成長率は、主権(ソブリン)債務の増加によってしか維持できなくなってしまった」。そして、国家は新たな貸し手を求めて、かつての貧しい地域からも借金をすることになっていく。ジャックは、先進諸国は「自分たちの未来を準備するためにではなく、自分たちの現在の暮らしぶりを維持するために、こうした資金を浪費している」と厳しく批判する。「現在の世界金融システムは、莫大な手数料を徴収しながら、途上国の貯蓄を先進国の消費に移し替える役割を果たしている」と。

誰もがこのいびつな世界金融の構造が早晩崩壊することはわかっている。実際、世界は2008年のリーマンショックや、2010年のギリシャ危機などを経験しながら、より大規模で壊滅的な危機を予想しているはずだ。アタリは「金融市場は、国家の破綻に賭けている」とさえ言う。しかしことは数式で解決できるほど簡単ではない。国家債務が危機的状況に陥るか否かは、複合的原因によって決まるためだ。アタリは、こうした局面において「経済学は、むしろ政治学という学問分野の一つにすぎない」とする。「経済学は、他の学問以上に、科学というより政治なのである」と。

そしてその政治の力こそ、対GDP比200%、総額900兆にものぼる、世界で群を抜いて深刻な公的債務を抱える日本に、もっとも欠けているものだ。緊縮にも増税にも踏み切れず、右往左往するばかりで、過剰債務国と過剰債権国の駆け引きの場となり果てた国際会議などでの存在感もきわめて希薄だ。日本は自国の財政規律を取り戻すと同時に、財務危機の連鎖を防ぐ世界的枠組みを構築するための役割を担わなくてはならないというのに。2011年の正月に、菅直人首相がこの本を購入したことが報道され、その後、米格付け会社が日本の国債を格下げしたことについて意見を求められた首相は「そういうことに疎いので」と口走ってしまった。世界一深刻な水準の公的債務を抱える国家を率いる人間の言動とは思えない。せめて債権者であるわたしたちは国民は、本書を読んで、何が起きているのかを知り、どうすべきか考え、最悪の事態に備えよう。
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