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国家の命運 (新潮新書)
 
 

国家の命運 (新潮新書) [新書]

薮中 三十二
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (41件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

国益を背負う外交の現場とは、いかなるものなのか。世界という視座から見た日本は今、どういう国なのか。戦後最大の経済交渉となった日米構造協議の内実、にわかに台頭する中国の外交スタンス、独裁国家北朝鮮との話し合いの難しさ、先進国サミットの裏側…四十年余の外交官生活をふり返りながら、衰えゆく日本の国勢を転回させるための針路を提示する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

藪中 三十二
1948(昭和23)年大阪府生まれ。大阪大学法学部中退。北米局課長時代に日米構造協議を担当。アジア大洋州局長として六ヶ国協議の日本代表を務め、北朝鮮の核や拉致問題の交渉にあたる。経済・政治担当外務審議官をへて、外務事務次官を2010年に退任し、顧問に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 188ページ
  • 出版社: 新潮社 (2010/10/14)
  • ISBN-10: 4106103907
  • ISBN-13: 978-4106103902
  • 発売日: 2010/10/14
  • 商品の寸法: 17 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (41件のカスタマーレビュー)
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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By blackstar トップ1000レビュアー
 田中真紀子外相(当時)には「伏魔殿」と謗られ、かつてペルー大使館人質事件では青木大使のお殿様的なゴーマンな態度に驚き、01年には元要人外国訪問支援室長のノンキャリ職員が5億円超の機密費を私的に流用し競走馬まで購入していたという外務官僚。キャリアは特権に胡坐をかき、ノンキャリアはキャリアにいじめられる。
 
 テリー伊藤氏のお笑い外務省機密情報にあったように、どうも一般国民のイメージは良くない外務省であるが、薮中氏は東大ではなく阪大から当初「専門職」(いわゆるノンキャリ)で入省、後にキャリア試験に合格したという経歴のごとく、親子代々外務官僚というような特権意識も少なく好感の持てる外交官である。

 対米貿易交渉、日本外交の弱点、本人が陣頭に立った対北朝鮮交渉、アジアの中の日本。ポイントポイントが平易な文章で、現場ならではの具体性を持って迫って来る。ただし、本人も書いているようにいわゆる暴露的な内容ではない。国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)のような、生々しさ、荒々しさはない。大学のサブテキストにも使えそうな上品さである。

 本書を読んで感じたのは著者も嘆いていることであるが、日本が大局的な国家観に欠けること。これは自民党から民主党になって更に悪化している気がするのだが、韓国のように国のビジョンを示して外国に対し交渉していくという感覚がない。TPPには参加したいが農産物輸入はダメ、というような総論賛成、各論反対ではますます水を開けられてしまう。これは各省庁の思惑が違うからでもあるがそれを束ねる政治の力が弱い。

 また日本のメディアが外交交渉の邪魔になっていることも嘆いている。対米交渉では日本に不利になるような報道でアメリカを煽ることまでされ、対北朝鮮外交でもバッシングばかりではやりにくかろう。

 外交官でなくとも参考になりそうな部分としては交渉相手との信頼関係を築くツボとして 1ウソはつかない 2絶対に譲れないことと融通のきくことを分け、優先順位をつける 3絶対にダメなことははっきり言う としている。とかく日本人は情緒的に流れがちなので、ロジックをしっかりすることだ、ともある。「察してくれ」「ご理解ください」ではダメで、これは外交交渉に限らず外国人との交渉には不可欠であろう。ただし北朝鮮には通じないのであるが…

 特に対米、対中、対アジア外交がますます重要性を増している現在、日本の進めべき方向性を考える上で参考になる一冊である。 
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23 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 宣長さん トップ50レビュアー
Amazonが確認した購入
 日米交渉でノーと言える/言えないということが話題になってきたが、そんなことは「相手の要求を待ってから答えるという点」では同じ、とスパッと切っているところなどはさすがという気がする。
 ダライ・ラマの訪米や李登輝の訪日を過度に問題視しすぎる中国外交を「問題視するから、余計に話が大きくなってしまう・・・いささか不思議に思われるくらい」という提議もその通り面白い。
 北朝鮮との交渉過程については一章が割かれている。拉致問題や核放棄という実交渉の話題の中でも、「朝鮮半島が統一されれば、・・・」という仮定が一言触れられている。実際には話題にもなっていない。しかし、不可能性のイメージとしてであっても最終のゴール、理想も失われていないと思える。
 ロシアについては「多様な民族を抱える大国であり、統治にはたいへんな苦労をしている、民主主義国家として努力しているが、英米の求めるような民主政治は簡単には実現しない」という主張を紹介している。ともすれば、民主主義は欧米の価値観であって、他の文化圏、文明圏では目指されるべくもない、とされる。ロシアまでが民主主義を否定するようになればそれに一層拍車が掛かる。そうではなくて、本来目指すべきであるが、漸進的でなければならないという政治学的態度なら共有できる部分、将来を考えることもできる。これは藪中さんを通したロシア理解かも知れないが、ここでも失われていない希望を感じられる。
 そんな一書である。
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17 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By mfhty トップ500レビュアー VINE™ メンバー
 「国家の命運」という大仰なタイトルですが、国の進路を提示するようなスケールの大きい内容はあまりありません。むしろ、外交官として外国との交渉にあたってきた著者の経験に基づくエッセイという感じです。
 著者自身、「私は、外交インサイダーとしての立場を利して、個々の政治家について論評したり、暴露的レポートをお届けしたりするつもりは毛頭ない」と記述しているように、「この外交交渉にはこんな裏話があったのか」というような衝撃の記述も特段ありません。

 本書は、外交官の仕事とはどういうものかを、バランスよく、知的で穏やかなユーモアにあふれた筆致で綴っています。アメリカ、中国、北朝鮮などのお国柄や、それぞれの外交担当者とのやりとりは、なかなか読ませます。
 約190ページと分量は多くなく、読みやすい本なので一気に読めます。
 興味深い本であり、読んで損はない本と思います。
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最近のカスタマーレビュー
題名が大袈裟ですが、読みやすかったです。
 ニュアンスから理解させようという文体は、やさしくサラりと読めました。が、特に次の二点について「な〜るほど!」と勉強になります。... 続きを読む
投稿日: 3か月前 投稿者: トシraud
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冒頭に薮中氏はかましている。「私は、外交インサイダーとしての立場を利して、個々の政治家について論評したり、暴露的レポートをお届けするつもりは毛頭ない。それは、一外... 続きを読む
投稿日: 8か月前 投稿者: 塩津計
自分のこれからを考えるようになりました
大げさなタイトルですが、この本を読んでよかったです。
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一外交官の各種外交交渉現場の経験を踏まえた雑感の様なエッセイで国家の命運と題した本に期待していた内容ではない。外交交渉の要諦についても特段目新しいものはなく、交渉... 続きを読む
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こうした職務に携わるひとが何を感じまた何を判断基準として外交に接しているのかを理解することができました。一般庶民に程遠い次元で諸外国と交渉しているのだろうと思って... 続きを読む
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