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国境の南、太陽の西 (単行本)

村上 春樹 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

村上春樹の4年ぶりの長篇書下ろし小説。一人っ子として、ある欠落感をもっていた始に、小学校時代、同じ一人っ子の女の子の友達が出来る。25年後、37才の時、2人は再会し、激しい恋におちる――。



内容(「BOOK」データベースより)

今の僕という存在に何らかの意味を見いだそうとするなら、僕は力の及ぶかぎりその作業を続けていかなくてはならないだろう―たぶん。「ジャズを流す上品なバー」を経営する、絵に描いたように幸せな僕の前にかつて好きだった女性が現われて―。日常に潜む不安をみずみずしく描く話題作。 --このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。

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5つ星のうち 5.0 傑作揃いの春樹作品の中でも、ひときわ輝きを放つ秀作。, 2009/10/4
不倫と正直に、公正に向き合いながらも
描写にこれだけの清潔さを維持させる物語構造、
美しい感情移入のさせ方は大変見事なもの。

線引きの難しい卑屈と謙遜の境界を上手いこと渡りながら
真摯な自嘲を決して忘れない。
そしてやはり村上春樹の恋愛小説の根底にあるのは
高度資本主義の構造=システムの矛盾を内側から掘り崩す
攻めの姿勢ですね。一見ヤワに見える文体だが
その裏に見え隠れするのは、確固としたシステムへの闘争心です。
妻の父に「たまには浮気もいい、そんな息抜きがあったほうが
かえって夫婦生活は上手くいくものだ」というようなことを言われる
シーンがとても印象に残っています。このような、何気ない言葉から
資本主義を軒下から支える恋愛観や結婚制度、性欲の洗練化といった
システムと、人間にもとより備わっていた心象のカオスとの弁証法が
心地良い密度で持って僕らの価値観を刺激してくれるのです。

主人公が、大好きだった曲『スタークロスト・ラヴァーズ』を
聴きながら零す終盤の台詞がたまらない。
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40 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 村上春樹の最高傑作の一つ, 2005/11/17
発売と同時に読みました。そのときは,失敗作なのではないかと思いました。しかし,10年以上経って,読み返してみると,印象は全く異なっていました。今は,どなたかも書かれていましたが,ノルウェーの森を遙かにしのぐラブストーリーといえると思います。ただ,単なるラブストーリーにとどまらないところが村上春樹だと思います。人生の暗く,苦しい面を,はっきりととらえていて,恐ろしいほどです。再読してから後,何度も読み返しました。そのたびに発見があり,小説としての魅力を感じる一方,その表現の深さに,たじろいでしまいます。通常の小説を読むときとは,異なる経験です。また10年後に読むとしたら,さらに深い理解ができるかも知れません。あくまでも,わたし個人の感想ですが,一度読まれて,あまり感心しなかった方も,そこで結論を出してしまわずに,何年かしてから,再び読まれることを強くお勧めします。
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23 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 私的名作☆, 2007/7/27
この小説のテーマは不倫ではなく、欠落感・喪失感・幻想性にあると思います。

とにかく共感するところがとても多かったですね。共感というよりも、まるで自分のことを言われているような感覚になった、と言ったほうが近いかもしれません。

やはりそれは、人間の誰しもが「欠落感」「喪失感」を抱えて生きているからだと思います。自分の中にあるその空虚を埋めようとし続ける作業が、人生だと言える部分もあるでしょう。

主人公のソレは、有紀子との理想的な結婚と仕事の成功で埋まったようにも見えました。しかし、かつて自分に全てを与えてくれた人(そういう感情を抱かしてくれた人)島本さんとの再会により、隠れていた空虚や喪失が動き出し、主人公は彼女の中に「本来あるべき自分」を見出していきます。そして日常は一気にひっくり返ります。
そういった「吸引性」は、人生のひとつの導きとも言えるかもしれません。
主人公はどうしようもなくそれを求めてしまう中で、決定的に人を(自分も)傷つけることを繰り返していきます。その部分を強烈に描いているところが、私の中では印象的でした。
これは、人間の持ちうる悲劇性の物語とも言えるかもしれません。

また最後の有紀子の言葉は、救いでもあるような気もします。
「あなたはまた私を傷つけるかもしれない。今度は私があなたを傷つけるかもしれない。何かを約束することなかんか誰にもできないのよ。でもとにかく、私はあなたのことが好きよ。それだけのことなの」(要約)本当に「それだけのこと」だけが確かなことなのかもしれません。

そして、幻想の消えた主人公が、新しい世界へ動き出しそこにあるものを掴むべく、その世界の重みを感じる姿が心に残りました。
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