まず、AMAZONで購入される方は、この書籍を手に取らないままお買いになるかもしれませんので、言及されている大学について列記いたします。
UK
・エセックス大学(以下、「大学」は省略)
USA
・スワースモア
・ハーバード
・マサチューセッツ工科
・タフツ
・ウェスレヤン
・オレゴン
・インディアナ
・ベイツ
・ハワイ(ベノア校)
オーストラリア
・ラトローブ
中国
・北京
これらの大学出身者へのインタビューが、内容の主なものとなります。
しかし、これらの大学の出身者への質問項目は必ずしも共通しておらず、共通している質問項目も通し番号などはなく、非常に比較がしづらいと感じました。
そのため、掲載されている各大学の情報は得られますが、それらを比較、総合して、留学そのものを論じるには、体系的とはいいがたい本です。
私が参考にできたのは、ハーバード大と北京大の2校くらいで、その他の学校の話は、あくまで参考程度に目を通すという感じでした。
大学を絞り込むにしては、なぜこれらの大学が選ばれたのか、根拠もよくわかりません。
それならば、過去5年のアメリカの4大卒業生100人から抽出した、20項目によるアンケートなどのほうが、よほど総合的な情報が得られたかと思います。
また、「『ぼく』(著者)が確認した、2010年6月時点での授業料免除の奨学金」を出している学校がある、という情報が40ページに掲載されていますが、どこの学校なのかは、一校たりとも名前が紹介されていません。
本当に確認したのなら、有益な情報としてなぜ紹介しないのか腑に落ちません。
この本は、「学生サークルが運営する出版企画コンテストへの応募作品」で、「最初に応募したときから出版まで、ほぼ3年かかっています」とのことです(あとがきより)。
著者が1984年生まれで大学院まで進学しているので、インタビューは2009年に行われてはいるものの、ごく最近まで学生だった著者による聞き書きなので、よくわからない大学のチョイスは、著者のお友達の関係なのかな、などと思いました。
「日本の大学だけが大学じゃない!」と、本書は謳っていますが、日本の大学と海外の大学との比較もあいまいなままになっているので、ピンポイントで掲載大学に関心があるという方以外には、さほど有用ではない気がします。
そういった点を考慮した上で、留学に役立ちそうな本かどうかを検討してから、お買い求めになられてはいかがでしょうか。
蛇足かもしれませんが、本書では英文はほとんど出てこないのですが、文章が横書きになっています。
外国の大学について扱う本として、横書きを意識したのかもしれませんが、書籍サイズが新書なので横幅が狭く、文章量の割には改行の頻度が高くなり、読むのに目と手が疲れました。