本作も、三木聡監督の世界観が炸裂しているヘンテコムービーである。菊池凛子はオスカーノミニー後、初めての作品がこれで、ハリウッド最高の助演女優5人のうちの一人が、リストカット痕でワサビをおろすことになるとは!とにかく全編に渡ってのバカバカしさが見事であり、メイキングで笹野高史も言っていたが、金儲けではない作風というのが最高にイカシテいる。だから三木組には第一級の俳優が集まるのだろう。随所に散りばめられた小ネタも腹を抱えるほどに笑えるし、逆にグロいシーンも満載。人魚役?になったコイなど本当に死にそうだったが(笑)。いつでもカッコいい伊勢谷友介も、今回ばかりはダラダラで、新しい魅力を生み出した。監督いわく「困った顔の伊勢谷君が見たかった」からキャスティングしたのだとか。とっかかりからいいかげんである(笑)。松尾スズキのいかがわしさも最高だし、またいつもの三木組常連・岩松了、ふせえり、松重豊なども抜群の切れ味を見せる。それから、本作はただ可笑しいだけではなく、生きることと死ぬことの「意味」を哲学的に伝えているシャシンでもある。猿の手が何の意味を持つのか、最後まで分からなかったが、ラストでそうくるか!という見事な着地で終えたのも素晴らしかった。いい作品です。