東京駅はもちろん、新橋、上野、新宿、両国といった都心のターミナル駅について、創成期から巨大ターミナル駅となった時期までの歴史やエピソードが、交通博物館所蔵の貴重な写真や図譜などとともに紹介されている、質量ともに圧倒的な本です。今はなき飯田町や万世橋の各駅についてもきちんと説明が付されており、このジャンルの記念碑的な出版物といって差し支えない出来となっています(間違いなく後世に残る名著です)。「鉄道ファンのみならず、少しでも東京の近代史に興味のある人はどうかすぐにでも手に取ってください」そう自信を持ってお薦めできる本です。5月で閉館する交通博物館スタッフが手がける最後の出版物ということで、力の入りようも並々ならぬものを感じました。やや誤植の目立つことだけが残念ですが、重版時にはきっと改善されるでしょう。