最初、本屋では、疑心暗鬼で手に取った。流行の生物多様性?ぐらいにしか思わなかったのだが、教材として入手した。読み進めるうちに驚いた。内容の多様性!もさることながら、著者の揺るがない一貫した姿勢と信念、さらには行間に漂う生きとし生けるものたちへの深い愛情に打たれた。現場で生き物たちと共に闘ってきた人間にしか書けない本である。吟味したであろう文献や論文の引用も、そこに現れている。表層的ではない、著者の確固とした意思を感じた。なかなか書きにくいかもしれない、捕鯨問題やエネルギー問題、水俣病など、「よくぞ書いてくれました!」という思いでラストへ。さいごに戦争問題に言及するあたりが、著者のセンスに脱帽。まさに本質を突いた勇敢で小気味よい一冊である。若いひとたちにぜひ読んでほしい。脱力系なかわいいイラストも満載で、わかりやすい。「ホンモノ」の一冊に出会えて光栄である。ありがとう。