戦後生まれの一般の人達には、満州とは歴史で少し習い、又テレビ等でたまに垣間見る遠い過去のまぼろしのような感覚だろうと思う。しかし100年にも満たない近い過去にこのようなむごい歴史を日本人が味わってきたことを改めて再認識すべきだと思う。もちろん中国人も朝鮮人もこれ以上の辛酸を嘗めてきていたのである。
私も含めて満州のことをよく知らない、又はよく知らされなかった戦後生まれの人達には良き入門書であると思う。解説もやや教科書的ではあるが丁寧に分かりやすく書かれているし、何よりも多くの貴重な写真群が圧巻である。
ややもすると日米間の太平洋戦争に目が向きがちであるが、戦前日本の破滅への道の原点はここ満州にあることが良く分かり、中国人や朝鮮人の日本人への恨みからくる偏見の原因も少しは理解できるようになる。
日本人はこの歴史から目を背けることなく、歴史から学び、そして今後日本は謝罪だけで萎縮することなく、アジアの良きリーダーとしてアジア諸国と平和的・発展的な外交を目指すべきである。
満州や日本の中国での軍事行動に多少でも興味のある方々にはお勧めの一冊である。