筆者の宮元 健次氏は、龍谷大学教員で、沢山の庭園に関する著作を表わしている方です。著者の本を何冊か読みましたが、共通しているのは学術的な批判に耐えうる著述の正確さと文献史料に裏付けられた推論の確かさと多くの図版の提示が特徴と言えると思います。
「自然風景式庭園(浄土式庭園)(寝殿造系庭園)(書院造系庭園)」「枯山水(前期式枯山水)(後期式枯山水)」「露地(千家の露地)(織部・遠州の露地)」という章と項目がたてられています。
日本庭園について、時代ごとの変遷を形式的に分類し、京都を中心に全国の選りすぐりの名園の数々を分かりやすく解説してある本書は日本庭園の奥深さを知る貴重な道しるべになると思います。
専門的な体裁ではなく、できるだけ平易な言葉で解説しようという著者の姿勢は好感が持てますし、知的好奇心がくすぐられました。
掲載されているかなりの庭園は京都にありますので、良きガイドブックとして本書を片手に実際の庭園を追体験することが日本庭園の理解への一番の近道だと思います。