難を言えば戦闘史に偏っていて政治的な動きがよくわからないけれども、
写真が多くてイメージしやすく、地図も充実しているので、戦争の流れは
非常によくわかる。
戦争の前史を4ページにわたって簡略に書いていること、ほとんどの本が
忘れてしまう日米開戦後の記述もしっかりしていることもよいと思う。
また、項目が細かく分かれており、レイアウトがすぐれているため、目次を
参照してページをパラパラめくれば、読んでみたいところがすぐにわかるのも、
日中戦争がよくわかる本 (PHP文庫)よりも良い。
加えて、論争の多い日中戦争において、自己の主張を強調する専門家の本と
ちがって、こういう説とこういう説がある、といった中庸な記述が多いことも、
細かい論争にとらわれることなく大きな流れを掴むべき入門書として、
肯定的に評価できる。