前半は古事記、後半が日本書紀という構成です。地図や系図や写真が豊富で、コンパクトながら良くまとまっています。特に、いろいろな人物の関係がわかる系図は理解に役立ちました。
人物名については、前者がカタカナで、後者が漢字で表記されていて、その理由も最初に述べられています。また、単にあらすじの概要を述べるだけでなく、適時解説や該当する記載事項についての研究者の説を紹介してあります。
稲羽の素兎やヤマタノオロチ、大化の改新や白村江の戦い、といった日本人ならほとんどの人が知っている伝説や事件も登場します。
本書にも言及があるように、特に日本書紀の記述については一部でいろいろな批判もあるようですが、古事記と日本書紀がなければ日本の古代の姿はもっとおぼろげな形でしか伝わっていなかった筈です。ただ、それぞれ大著なので、このように簡単に読めるダイジェスト版の存在はありがたい。日本国の国家遺産としての「記紀」の重要性を改めて認識しました。