魅力的な写真とともに語られる世界中の「市場」エッセイ。
市場そのものの姿に注目することもあれば、そこにいる人、扱っている品物に焦点を当てることもありで、バラエティ豊富。読み飽きることがない。
新聞連載をまとめたということで、一つひとつの文章は短く、読みやすいです。
もっとも逆に、そこが「読み足りなさ」につながっている感もなくはない。
基本的には、軽い読み物として読むのがいいかと思います。
また、「世界」といってもそれなりに片寄っているのも事実。
まんべんなく取り上げられている東南アジアに比べ、ヨーロッパやアフリカはごく限られた国だけ。
東アジアは台湾と韓国が充実していますが、大陸側の中国はごくわずかです。
インドやオーストラリアなどは、結構充実しています。
個人的には、パプアニューギニアと南アフリカの市場が面白かった。
前者は、最も原始的な市場のあり方がわかるという意味で。
後者は、アフリカとヨーロッパ、近代と前近代が交じり合った複雑な国だけに、「市場らしくない」市場の姿が興味深いです。