近頃、我が国においても「先進国」並みに古典的なエロティック絵画の出版が可能になって来た。よって本書の如き以前ならば部分的なボカシを加えていた作品も、今日では極く普通に市販されるようになって来ている。その意味では「随分とマシになって来た」ものだと言える。アレティーノの作品に加えられたジューリオ・ロマーノの絵画やカラッチ原画の版画集など比較的出来の良いものが、本書には収められている。とはいえ、徳川時代の日本の浮世絵春画に比較して、やはり全体として質が低い事実は否めない。また、ドイツのフォルベルクが「フォーバーク」などと英語訛りで表記されているのも奇妙な現象であり、編者の資質が問われる次第である。
とりわけ、絵画とはいえ自由な表現が、いまだに日本では問題とされるらしく、この続編や類書に収められたトム・オヴ・フィンランドのイラストを見ると、わざわざ画質を劣化させたり、採録する作品を減らしてみたりする等、奇妙な手が加えられている。滑稽を通り越して悲惨なまでの日本の「後進国」ぶりが、いかんなく発揮されていて、まともな「先進諸国」から憫笑の的となっているのは、きわめて遺憾な限りである。一日も早く我が国が「先進国並み」の普通の国家となることを期待してやまない。