筆者の片野優さんと須貝典子さんは共に1991年よりオーストリアのウィーン、ハンガリーのブダペストに滞在しており、セルビア共和国のベオグラードで出版社を経営している方たちです。おもにヨーロッパの歴史・文化・環境・旅行に関する記事を執筆されているわけで、その情報力が本書にも生かされていました。
チェコのプラハの人気は凄まじいものがあります。行きたい観光地のトップに挙げられているわけですが、その注目度とは別にテレビ等でさほど取り上げられないこともあり、その秘められた魅力に迫ろうとするとどうしても本に頼ることになります。本書はその意味で詳しいガイドブックになりますし、この歴史文化都市の成り立ちや変遷を詳しく知ることのできる書籍でもありました。
聖ヤン・ネポムツキーの秘話という副題がついて、有名なカルレ橋の魅力が語られています。現存するヨーロッパ最古の石橋は、まさしくプラハの象徴でした。ヴルタヴァ川とプラハ城の取り合わせは実に魅力的でした。
プラハの城下町と紹介してある貴族たちが住んだ町のマラー・ストラナを取り上げています。煉瓦色に統一された美しい屋根の景色が、39ページに掲載してありますが、このプラハ城から眺めた光景はまさしく絵になります。
ボヘミアの歴史を刻む重厚な大聖堂である聖ヴィート大聖堂の正面ファサードや内部にある聖ヤン・ネポムツキーの銀の像の神々しさが写真から伝わってきました。
国民音楽の父スメタナや、母国の偉大な芸術家として慕われているドヴォジャーク、アールヌーヴォーの先駆者のアルフォンス・ムハの生涯と功績をまとめてあり、知っているような伝記をかいつまんで理解できるように工夫がされていました。
ボヘミアの森が生んだガラス芸術や、世界一のチェコビール、プラハのビアホールなど、プラハの散策にも有用な記事も掲載してありますので。