「図説」とか「〜で分かる!」とか書いてある本にはどうも胡散臭さを感じる質で殆ど手を出さないのだが、やはりただ書名がそのようであるというだけで内容を読まずに軽蔑するのはある種の理不尽ではあると思う。実際この本は軽く一読してなかなか良い本であると感じた。
序章 サルトルと実存主義
サルトルはこう考える
第2章 サルトルの生涯
第3章 実存主義とは何か
第4章 サルトルの著作を読む
第5章 サルトルをめぐる人々
という目次を読むだけで分かる事なのだが、見ての通り本書はなかなか包括的にサルトルを解説しており、サルトルの思想は勿論、その生涯の伝記的記述もあり、さらには全著作の解説、さらにカミュやメルロポンティといった関連人物の紹介(これは諸々の哲学者の入門本でもなかなかないものだろう)まであり、コンパクトで平易な入門書という枠内では最善級の内容を持っていると私は感じた。
既にサルトルをよく知っているという人には精々復習か暇潰しにしかならないかもしれない(あるいは思想しか知らないというのなら伝記的記述などは新鮮なはずだ)が、入門書には十分最適だと言えるだろう。すぐに読めるのもよい。ちなみに私はまさしく思想の方は大体知っていたのでそれは復習しつつ、伝記や著作解説、関連人物の部分を役立てるような読み方をした。