学研さんの歴史群像ムックは既にかなりの数を購入したのですが発売日を変更することが少なくて好感を持っています。 自分の経験上ですが第二次世界大戦のことを細かく取り上げている本はいくらでも見つかっても第一次世界大戦のこととなると良質な書籍を探すのは至難。わかりやすいものとなると皆無です。 この原因はこの戦争に我が国が深く関わらなかったためでしょう。しかし、それだけでなく戦争そのものに対して深く、そして感情的になる事なく考えることが出来る人が日本国には少なかったと言う事かもしれません。
ところでこの本は上下あわせて一月ほどかけて読んだのですがとくに興味深かった項目は上巻の「開戦の背景を探る」と「王朝ネットワークの崩壊と云々」、下巻の「総括/第一次世界大戦」です。これにより老齢期を迎えたそれまでの欧州の繁栄がとどめを刺された様子を(なんとなくですが)イメージ出来るようになります。兵器や戦術のことなら第一次大戦のことでも一生懸命追いかける人達は結構いるんですけどねぇ… まぁ、もっと突っ込んでいこうとしたら膨大な巻数になってしまうので自分程度の素人ならこれくらいで充分でしょう。
しかしやや残念なことは海戦については殆ど書かれていないところです。この戦争では海の戦いは戦略的な影響が少なかったのでしかたがありません。これについては三野正洋氏の「死闘の海」と言う本が詳しいので補えますが。
とにかくミリタリー&戦記好きな若い人はじっくり読まれると良いでしょう。とくにガンダム等からこの方面に取っ掛かりを掴んだ方は(自分もそうです。)過去から未来の戦争について考察する時に良い指標になるやもしれません。