内容紹介
厠 (かわや)とはトイレの古称。これまでとかく片隅に追いやられてきたこの親密な小空間のすべてを明るみに出す、微苦笑と洪笑、そして驚きにみちた愛すべき一冊。
著者について
監修者・執筆者紹介 (※略歴は本書 初版刊行時のものです)
●李家正文 りのいえ・まさふみ
随筆家。文学博士。1909年広島県生まれ。国学院大学同研究科程修める。トイレの落書きに注目したのがきっかけで、大学を終了する前年に『厠攷』(1932年、六文館)を出版、当時のべストセラーに。厠博士との異名はそのとき徳富蘇峰から授けられて以来のもの。『朝日新聞』記者となって同社出版局、部長などを歴任。その後朝日学生新聞社社長、会長などをつとめた。著書、『降る話』(一誠社)、『純文学概論』(建設社)、『古典の窓を開く』(梅花出版部)、『厠史話』(六興出版)他。
●村松貞次郎 むらまつ・ていじろう
建築史家。1924年、静岡県生まれ。東京大学第二工学部建築学科を卒業。現在東京大学教授。工学博士。文化財保護審議会専門委員。著書に『日本近代建築技術史』『日本建築家山脈』、『大工道具の歴史』『道具曼陀羅』(写真家・岡本茂男との共著)ほか。《INAXブックレット》ではすでに『日本のタイル』で座談会にご出席いただいている。
●乙益重隆 おとます・しげたか
考古学者。1919年、熊本県生まれ。ユニークなお名前は鎌倉時代の名田地名から出たものとのこと。国学院大学文学部国史学科卒業。戦前の学生時代、発掘調査で新潟県安田町の陣屋に宿まり、思いがけず殿様用の厠を使う機会に接したご経験を懐かしそうに話される。熊本女子大学を経て1970年より母校教授。最近は奈良時代のバックル(= かこ)を出土して話題を呼んだ。お住まいの調布市遺跡調査団々長。著書に『肥後上代文化史』(日本談義社)、『成川遺跡』(共著、文化庁)、『上総菅生遺跡』(共編著、中央公論美術出版)他。
●光岡知足 みつおか・ともたり
細菌分類学、微生物生態学。1930年、千葉県市川市生まれ。東京大学医学科卒業。「世界でもめずらしい、自由で、しかも研究環境に恵まれた」理化学研究所に入所し、1964-66年には西ドイツのベルリン自由大学に学び、ドイツ式研究方法の基礎を教えられる。現在東京大学教授。理化学研究所主任研究員。最近は腸内細菌の分類・生態研究から、それが人間の健康にどう関係しているかにご関心を向けられている。したがって著書に専門研究書のほか一般向けの啓蒙書も多い。たとえば『腸内のドラマ』(ヤクルト本社)、『ツマらない健康法』(KKベストセラーズ)など。
●宮崎昭 みやざき・あきら
家畜栄養学・飼料学者。京都大学農学部卒業。農学博士。現在京都大学助教授。1967年「飼料中の硝酸塩が反芻動物に及ぼす影響に関する研究」で日本畜産学会賞受賞。その後、反芻動物の消化生理的特徴を生かし末利用の飼料資源を利用する牛肉生産を研究。