太刀、刀、槍、薙刀、弓、鉄砲、大砲、手裏剣、分銅鎖、鎖鎌、鉄扇、十手、盾、鞍。江戸末期に至るまでに日本で使われた武器について一冊にまとめてある。
オールカラー。様々な武器の写真が豊富。図解も多く入っている。ヨーロッパや中国の武器との比較もしている。しかし、この本が優れているところは、単に武器を並べて説明しているだけにとどまっていないところにある。多くの名人や伝統継承者が登場して、使い方や戦い方について実戦的な説明を行うと同時に、様々な実験を行っている点にある。
まず、主要な武器には、命中率や殺傷力についてのテスト結果がついている。これはリアルである。また、日本刀で鉄製の兜を切りつけた写真には驚いてしまった。日本刀でこんなことが出来るとは。馬術と弓術を一体とした騎射についての説明などもあるが、かなりの技術が必要だったことがわかる。
様々な興味深い実験も行っている。那須与一が扇子を射落とした故事に絡む実験では、全日本学生遠的競技大会優勝者3人による試射によって、成功確率は20%程度だったろうと述べている。一番唸ったのは、火縄銃の集団運用に関する実験。3段撃ち、3人で2挺、3人で1挺、1人で1挺、早合の利用(弾と火薬をあらかじめ一体にして準備したもの)のパターンで一番速射できるパターンはどれかということを試した結果。これによると、3段撃ち、3人で2挺、早合は、かなり効果の高い運用方法だったということがわかる。
昔の武器の総合カタログ的な内容を予想していたのだが、その期待を遥かに上回る内容だった。