ムックと侮る無かれ。編集者は参加ライターによっては研究本よりも深く分かりやすい本は
あるのである。この本はその好著な一冊。戊辰戦争から西南戦争までの経緯を図表や写真を
交えて書かれている。
幕末の兵器についての変遷は、単に武器の優劣だけではない戦術の変化まで巻き起こした
事も書かれている。銃器についても進化を遂げた事だけではない、その進化に追いつつき、
その武器を基幹とした戦術を理解した組織が戦争を制した事が書かれている。特に旧幕府
が近代化が遅れていたという俗説を一蹴しており、フランス軍事顧問と優秀な旗本待遇の
軍事学者達らスペシャリスト達が幕府陸海軍を運営していた事も理解できる。
戦争とは、政治の延長である事はクラウゼヴィッツが述べているが、本書は政治抗争から
戦争への過程も書かれている。総論に於いてライターが語る「(明治維新の)目的は異なる手
段を持っての攘夷(大攘夷)運動」「日本の自主独立」を目的」とするという結語には共
感が持てる。