内容紹介
古代から近代にいたる、辛くてきつい、けれど誰かがやらなければならなかった「庶民の仕事」の歴史をたどったはじめての本。
貴族生活も近代化も彼がいなくてはあり得なかった!
本書は、歴史を支えてきた過酷な「ハローワーク」である。
内容(「BOOK」データベースより)
出版社からのコメント
古代から近代にいたる、辛くてきつい、けれど誰かがやらなければならなかった
「庶民の仕事」の歴史をたどったはじめての本。
貴族生活も近代化も彼がいなくてはあり得なかった!
本書は、ほんとうの意味で歴史を支えてきた、世にも過酷な「ハローワーク」である。
誰もが子どもの頃にやったなぞなぞです。
「法隆寺をつくった人は?」
これに「聖徳太子!」と答えると、「ブッブー。正解は大工さん」とやられました。この本はそういう、いわゆる歴史の教科書がつづってきた英雄・偉人だとか王様だとか、なんかすごい聖堂とかの建築物や貴重な記録文書、産業の発展とか便利になっていく日常生活......を本当に意味でがっちり支えてきた(同時にそうせざるを得なかった)人々の物語といえます。
商品が増え多くの貨幣が流通するようになってきた裏側で、「コイン奴隷」が満足に食事もとれずにこつこつノミを振るっていたのだし、美術館で多くの人を魅了するその絵画は、物のように何時間も動くことを禁じられた「絵画モデル」がいてこそなのだし、英国の誇る皮革製品は、タナー(なめし職人)たちによる読むのもキツイ職場環境のなかから生まれてくるわけです。
そういう仕事の数々を、英国を例に、ローマ時代からヴィクトリア時代まで紹介してみました。
ここに紹介されるのは大人たちばかりではありません。子どもたちもまた、つらい職場で働かされました。誰もが知っている産業革命を押し進めた英国の大規模紡績業。最新式の紡績機械はフル稼働させなければ採算に合いません。ところが機械からははらはらと糸くずが落ちてきるので、これが溜まりすぎると機械の性能が落ちたり故障の原因にもなるわけです。
だから経営者は小さな子どもを使いました。大きな機械の間に入り込ませ(もちろん機械は稼働している)、そして糸くずを拾わせます。そこで少しでも機械に服が引っかかってしまったら大惨事です。じっさい、そうした不幸は「とるに足りないこと」として記録に残っています。──そうした結果、紡績工場の生産高は倍増、ぼくたちの教科書には「英国で紡績業が飛躍的進歩」とだけ記され、その子どもたちの「記録」は誰の記憶にも残らず消えていきました。
もしかしたら、これは「いま」なのかもしれないとも考えさせられます。みなさんはどう思われるでしょう。
著者について
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
英国の俳優、放送タレントで、『英国の英雄伝説』や子ども向けの本『英国の王様と女王様たち』を始め、歴史や神話に関する著書多数。また、英国チャンネル4のテレビシリーズ『タイムチーム』をもとにした考古学の入門書『考古学なんてくだらないけど面白い』を大学教授ミック・アストンと共著し、台本を手がけた『乙女マリアンと愉快な仲間たち』では、英国アカデミー賞と英国テレビ協会賞を受賞
ウィルコック,デイヴィッド
テレビ・プロデューサーで、ロビンソンとともにチャンネル4のさまざまな歴史番組をプロデュースし、台本も書いてきた。『ロビン・フッドと英国の本当の君主』では、非体制的な君主候補者というユニークな視点で番組をつくった
日暮 雅通
1954年生まれ。翻訳家。青山学院大学卒。英米文学および科学技術ノンフィクションの分野で活躍。日本文藝家協会会員
林 啓恵
1961年生まれ。翻訳家。国際基督教大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)