本書は、ページを開いたときに右ページに文字が書かれ、左のページに図が書かれている。
また、図だけ見た場合でも本書の内容の多くを網羅できるので、「道州制って何だっけ?」と記憶が曖昧になったときには手軽にその内容を確認できる利便性の高い書物だ。
道州制に関する多くの書物が、道州制を説明する上で、官僚主義・肥大化した行政機関・財政赤字など中央集権体制がもたらしたマイナス要素を取り上げ、それを脱却する形で道州制を提唱しているが、本書もその形を踏襲していると言える。
しかし、多くの書物が中央集権体制やそれに代わる体制として道州制を理論として体系化することで、どうしても机上の議論のような印象を私たち読者に与える中、本書は具体的に日本が12道州になった場合の各道州の諸政策や道州制の導入による今後の展望などを描いている。
正直これらの具体的な展望は決して実現性の高いものとは私には思えなかった。
しかしながら、この具体的な記述によってこそ、道州制が机上の議論ではなく、「現実的に」国民に影響を与えうる政策であると私たちに認識させようと試みている。
多くの書物が道州制を国民とは接点がないような難しい理論で説明する中、本書は簡潔に国民目線で道州制を記している点で評価できるだろう。