私自身が全く知らない出版業界のことを知りたくて購入した本である。
日本の出版社数が4,055社(2008年4月時点)であること、日本の年間出版数が約8万点弱であること、印税は「検印」に由来する言葉であること等、私の知らないことが詰まっていた書物である。
また、日本の出版業界の三大特徴である、取次制度、再販制度および委託制度について簡潔に説明がなされている。市販の絵本とは異なり、日本独自の文化を築いたとして評価されている「保育絵本」の存在は、本書で初めて知った。「協力出版」という制度も、聞いたことがないものであった。出版社内の各職種の説明や個性豊かな様々な出版社の解説も、興味深かった。
本書の目的とは逸脱するが、作家の松本清張が本書の編著に対して「本は横に読め」と言ったことが本書には書かれていた。ある書物を読んで、その中で出てきた事件や人物に興味を持ったら、今度はそれに関する本読んでいかないと知識が系統化しない、ということらしい。この大作家の言葉は、今後の本の読み方の指針になった気がする。 (2011/6/29)