技術評論社から出ている「知りたい!テクノロジーシリーズ」の1冊。仕事柄、そろそろクラウドのことも真剣に考えなければいけなくなり、まずは基本的なことを勉強しようと思い、読んでみた。
この一、二年、クラウドという言葉は大流行しているが、今ひとつ、その概念自体が明確ではない。というのも、個人向けのクラウドサービスから、企業向けのクラウドサービスまでが、一緒くたに語られてしまっていて、混乱していることが原因。
この本では、「第1章 クラウドとは何か」で、その辺りの概念を整理してくれているのがいい。記述内容もあまり難しくなくて、クラウドの基本的な概念を知るにはいいだろう。
第2章では、クラウドのしくみについて、分かりやすく解説してくれている。技術的な内容は、今ひとつ物足りないところもあったが、まずは、このあたりの基本的なしくみ、技術的要素を理解すれば、他の人にも「クラウドとは何か」を説明するには足りるように思う。
「第3章 クラウドの導入と利用」については、もっぱら企業の情報システムをクラウドで構築したり、クラウドへ移行したりするときに注意すべき点を説明している。これも、記述内容は深くはないが要点は押さえている。
特に参考になったのは、「第4章 さまざまなクラウドサービス」。ここではGoogle、Amzonを始めとする米国の有名どころから、まだ始まったばかりの国内のクラウドサービスまで、それぞれのサービスの特長をカンタンに説明している。それぞれの違いについて理解するには参考になる記述だった。
最後の第5章では「クラウドの課題と今後」についてを記述。たしかにいくつか、課題はあるが、どれも解決困難なものではなさそう。むしろ、今後ますますクラウド化は進むように思える。しかし、ここでは、国が推める自治体クラウドも紹介されているが、これはどうかな?実証実験は進めているようだが、基幹系業務アプリケーションのクラウド化までということになると、各自治体の規模や業務の進め方の違いを吸収できず、頓挫しそうな予感がする。むしろ、廉価にサーバ、ストレージ、ネットワーク、OS、DBMSなどのインフラ、プラットフォームを提供し、アプリを自由に乗っけられるようにすることのほうが、ウチのような自治体にはありがたい。LGWANや共同ASPの失敗を繰り返すことにならなければいいが...