最初に書くが、この本はいわゆる「BOM入門書」ではない。
製造業の機能や、部品表の基本を知った上で読めば参考になるかもしれない。
先にこの本のいいところを上げておく。それは、製造BOMについては、著者の豊富な経験からであろう、非常に多様な事例に基づいて具体的な説明がなされていることである。一般論あるいは量産用の製造BOMだけについて書かれた著書はあるが、日本の製造業の製造BOMについて、ここまで書いてある著書はまだない。
困ったところは、この著書が「誰に対して書かれたものか」わからない、つまり目的が判然としないということである。著者は製造BOMについては経験豊富のようだが、設計BOMに関してはいまひとつ踏み込めていないようである。しかして、上流でのBOMが大切と論じている。最後のほうは設計BOMを言っているのか製造BOMを指しているのかわからなくなってくる。極めつけはPLMやらSPBOMやらシステムに絡んだ用語が炸裂している。PLMは、SCMと違ってまだ世の中では経営用語としては定着していない。ある程度経験のあるSIerの生産管理システム担当者には参考になると思われるが、それにしてもPLMとの接点と言っている以上、最初に経営視点(それも機能的な視点から)、製品ライフサイクルとBOMの関係を軸にどうあるべきかを「体系的」に論じていただきたいと思う。また、全体的にあまりにも生産に偏りすぎている。設計の機能とBOMの関係をもっと突っ込んで欲しいところである。