「ソフトウエア・ジャストインタイム」と野心的なタイトルと表紙のユニークさに引かれて手にした本だが、内容は本格的な勝ち組企業のためのソフトウエア開発の戦略本である。
よくある取るに足らない小手先の技術で、劇的な生産性を謳った書籍が多い中で、真のソフトウエア開発のための経営戦略とそれを実現する技術論、人材育成の戦術である。
最上流の経営理論とソフトウエア開発技法が1本の糸で見事に繋がっている。これまでのソフトウエアの本と言えば、方法論はビジネスを無視した、技術論やある特定の手法に終始していた。
この書籍は違う!納得させられるストーリと戦略、戦術が紹介されている。
日本のソフトウエアは、インド、アジア諸国の安い労働力や自国の少子化の深刻な脅威になんら抜本的な解決策を見い出せないでいる。この書籍は、グローバルな視点であるMBA的な経営理論とプロダクトライン戦略、アーキテクチャー、CMMI、オブジェクト指向などが1つたストーリをもって戦略として描かれている。日本がこれまで最も苦手としていた点である。
本書の惜しむ点は、1つ1つの説明がややあっさりしている点である。今回は戦略の概要を紹介するのが目的なのであろう。今後の詳しい解説本、実践の書籍を望む。