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サルトルは主体の哲学者として構造主義から批判を受けたわけだが、「意識革命を起こして主体となれ」というご託宣とは少し訳が違う。サルトルの哲学は、私たちの存在を「なんらかの実体」ではなく「外物との関係性」と規定しており、既に状況に作られる存在としての人間という視点を持っている。とすると、主体性を励ます彼の哲学は、既に人が主体であることの困難を、少なくともある程度は見据えたものになっているのじゃないか。ある意味で、社会構築主義以降の私たちは、周回遅れでサルトルの問いに戻ってきただけなのかもしれない。
この本を読んで、そんな印象を持った。いつか出るであろう、サルトルと本気で格闘した永野さん自身の哲学もたのしみに待ちたい。
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