初めて心電図を学ぶ人を想定していながら、本質は決して外していない。
わかりやすいのに、ごまかしていない。読者にも媚びていない。
何より読んでいて楽しい。
すべてのページで上半分が大きく描かれた(ユーモアかつ含蓄のある)イラスト。下半分には要点が確認できるたった2〜3行の簡素な文章とその答え。1ページずつは難しいところはひとつもないのに、読み終えた頃には、心電図の本質が自然と身についている。
他の入門書の多くは、妙な擬人化や無理のある例え話を使って「難しいでしょうから程度を下げてあげました。どうです?わかりやすいでしょう。」といった押し付けがましさがあるが、この本にはそういったところがないのが良い。下手な擬人化など使わなくとも読者をすんなりと導くのが良い入門書だ。
実際の心電図には、ぴったりした診断名がつけられないものの方がむしろ多い。極論を言ってしまえば診断名などどうでもよく、心臓では今何が起こっていると考えられるか、を読み取ることが本当の目的。他の入門書にありがちな心電図のパターン認識(と診断基準の羅列)では限界がある。この本の素晴らしいところは、入門書にして「わけのわからない心電図」を読み解く能力が身につくところだ。
旧版で既にほぼ完成された内容であったし、本質のみを残した良い意味での簡素さが好印象だった。
それが第6版になって内容がより充実している。
心電図を初めて学ぶコメディカルの方にもお勧め。必要に応じて、難なく次のステップに進めるだろう。
すばらしい。