歴史から業界の構造、埋蔵量、業界を支える法律や制度、税制、そして現在抱えている問題まで、初心者にとっても極めてわかりやすい内容であり、図解やグラフなどもふんだんに使われている。手元に置いておくと便利だろう。温暖化問題や燃料電池などの技術についても目配りしており、記述も公平なものとなっている。業界の将来がどのように変わっていくのかということについては、はっきりと示されてはいないが、むしろそのことは、読者自身が考えていくべきものだろう。
個人的には、国内外の石油業界の歴史やセブンシスターズなども勉強にはなったが、何よりも第12章以降、2008年の原油価格高騰の背景や地政学リスク、市場についての解説がとても興味深いものだったと感じている。また、今後の原油価格については、代替エネルギーの開発が進んだとしても、暴落することはないとしている点も注目。
ちょっと古くなってしまい、状況が変化してしまっている部分は、自分でフォローすればよろしい、と思う。