本書は秀和システムから出ている業界研究シリーズの第2版。第2版といっても「はじめに」で著者自ら記しているように、内容は大きく刷新され、読み応えのある最新業界研究本となっている。
特筆すべきは、全体を通してのバランス。本書は現役の広告会社社員とメディア全般に著作物を持つノンフィクション・ライターの共著であるが、各自の体験談やネタに頼らずあらゆる角度から業界を俯瞰した構成と、たとえ初めて目にする専門用語でも前後の文脈と欄外の解説で理解できる用語解説は、業界経験未経験を問わず充分に解りやすい内容。共著ならではの利点である視野の広さと安定感が感じられる。
特に第1章の「広告トレンド紹介」は、まさに広告のいまを切り取った、広告人のものの見方・考え方に触れられる興味深い内容。また広告のトレンドのみならず情報通信・マーケティングといった内容も盛り込まれており、「社会の潤滑油」としての広告の存在意義が窺える。就職・転職希望者にはとっては目新しい内容なので、是非一読を勧める。
広告業界の格好の入門書として、今後も版を重ねて欲しい良書である。