環境問題への対応を具体的に考えたい方のための入門書です。環境破壊の影響は市場の外部に現れるため、市場のメカニズムが適切に働きません。そこで、環境保護の利益と費用を調整し、企業や消費者が自ずと環境に配慮した判断・行動をする社会、持続可能な発展の実現を目指すのが環境経済学です。
2色刷り、見開き完結、左側に説明文、右側に図表、という「図解」本の定番スタイルで、パッと見にとっつきやすいブックデザインとなっているのが本書の特色です。幅広い内容を扱いながらも全223ページにまとまっており、多くの方が読む気になれる分量だと思います。
しかし内容は本格派。筆者はまず環境問題と経済の関係を整理し、環境経済学のテーマを「環境問題が起きるのはなぜか」「環境問題を解決するには」「環境と経済を両立するには」の3つに分類します。以降、需要と供給の関係、市場の価格調整メカニズムなど、経済学の初歩の初歩から説き起こし、3つのテーマに順番に取り組んでいきます。また経済学の視点を欠いた方策が成功しないことも同時に説明しています。
第1章 環境と経済の関係
第2章 環境経済学の基礎
第3章 環境政策と環境経済学
第4章 地球温暖化問題
第5章 ゴミ問題とリサイクル
第6章 消費者と環境問題
第7章 企業と環境問題
第8章 環境の価値評価
第9章 環境対策の評価
第10章 持続可能な発展
章立てはこのようになっており、一通りの考え方と環境経済学の言葉を学ぶことができます。巻末に索引がありますので、仕事や報道で環境経済学の言葉に出会ったら、ぜひ本書で復習してください。
大学の教養科目レベルの本ですが、記述は平易です。排出量取引や環境税などに関心があって、きちんと学ぶ意欲がある全ての方に、お勧めします。