海外の国債の話も多少ありますが、基本的には日本国債の話です。国債とはなんなのか?どんな種類があるのか?入札や決済のプロセスはどうなっているのか?債券市場とは?日本国債のリスクとは・・・などなど基本的なところを網羅しているのではないかとおもいます。このシリーズにありがちなのですが、入門なのか、おさらいなのか、スタンスがよくわからないところが若干あります。たとえば、金利スワップ取引などの説明は、わかっている人にはわかると思うけど、そもそもなんのために固定金利と変動金利を交換する必要があるのか、という前提説明がない。そうかとおもうと、LIBORのような基礎的な話を説明していたり(でもほとんど説明していなかったり)、入門書としてはちょっとイマイチかなとおもいます。ただ、そういうのではなくて、ある程度の金融知識のある人が日本国債というもののプロフィールをざっとつかむという意味ではよくまとまっているのではないかともおもいます。
おもしろかったのは、カナダは、クレティエン政権のとき歳出削減と増税で財政再建に成功した経験があるが、どちらかというと歳出削減が主体だったそうです。巻末に、元大蔵省の国債課長でいまはニュースキャスターをやっている村尾信尚さんのインタビューがあるのですが、これがとても論旨明快でわかりやすかった。消費税を増税しても、その収入は主として弱者に向かうので、税の逆進性は生じない。しかも、社会的弱者ほと消費性向が高いので、消費全体としては高まる(のではないか)という見解です。中谷巌さんは、消費税増税するかわりに一定のキャッシュバックすることで逆進性を緩和するという説を唱えていましたが、基本的には同じ思想かもしれない。
2010年6月発行の本ですが、日本の国債残高は危険水域に入ってきている(ので財政再建が必要だ)という論調です。