『図書館戦争シリーズ』の4作目にして完結刊,
07年11月の単行本からの文庫化になります.
シリーズの最後を飾るにふさわしいエンタメ性に,最初から最後まで目の離せない展開です.
特に中盤あたりからは,まるでアクションやスパイ映画のようなスピードと緊張に満ちていて,
そこへ物語が進むにつれ高まっていく高揚感が,否が応でも結末への期待を膨らませてくれます.
そんな中でもしっかりラブコメはしていて,「もう相手の方はすべてお見通しなのでは?」
と思わせられる駆け引きというかやり取りや,それにうろたえてしまうヒロインの様子など,
これまで以上にベタベタの甘々で,ニヤけるのを通り越して恥ずかしくなってしまうほどです.
そして迎える結末.はじめはただの問題児としか思えず,理解できない部分もあった彼女が,
憧れの人へと近づこうとし,その中で芽生えた強さの末のハッピエンドは強く印象に残ります.
またメディアへの検閲など,決して笑い話だけでは済まされないこの世界の大きな問題について,
恋物語のような完全なハッピエンドとしなかったのは,絶妙な落としどころだったように思います.
なお,巻末には単行本版と文庫版のあとがき,設定資料的な『図書隊について』をはじめとし,
1巻から続いている著者と児玉清さんとの対談の最終回,ショートストーリが収められています.
(ショートストーリについては,
アニメDVDの2巻から『プリティ・ドランカー』となっています)