私は大好きなシリーズですが、ラブコメ要素が強いので、好みがわかれる小説だと思います。
図書館で武力抗争という現実にはありえない設定ですが、その設定も意外と詳細に作りこまれていて、
私たちが日ごろ当たり前に享受している様々な自由(表現の自由、言論の自由)の大切さも感じることができます。
そういった当たり前の自由を享受できない特殊な状況がこの小説のバックグラウンドであり、
そのため図書館が武力をもってこれに対抗するといった設定の中、特殊部隊の一員である主人公が、教官と恋に落ちてゆく…
設定がリアルだけに、その中での恋模様は感情移入しやすく、多くの女性には好まれる作品だと思います。
ただ、男性には、そのまじめな設定、戦いの描写の中においての恋愛ラブコメ要素が馬鹿馬鹿しく陳腐なものに感じられるかもしれません。
登場人物も一人ひとりのキャラが立っている反面、どうしても漫画チックなキャラクター(言動が読めてしまうキャラクター)に感じられるため、小説に重みを求める人には軽いライトノベル的に思われてしまうかもしれません。
ただ楽しむために読む、という点で読めばとても面白い小説です。
でも、キャラがベタなだけで、有川さんの書く文章やストーリー構成はきちんとされていますし、最近良くある「文章も稚拙で、内容も薄く、キャラも軽薄、展開もめちゃくちゃ」な小説でないことだけは間違いありません。
この限られた状況設定の中、よくこれだけ色々なエピソードを描けるなあと関心してしまいます。
シリーズが続くので長く楽しめるという点でもオススメです。