千冊単位の蔵書をもっている読書家でも、自分で本を修理までする人は少ないのではないだろうか。しかし、実は図書の修理は実用レベルなら難しくない。「図書館員のための〜」と題されているが、この本は素人にもよく分かるように親切に書かれていて、蔵書の傷みで頭を悩ませている人には良い参考書になる。
私も何十年か前、学校の図書館で本の再生技術を習ったことがある。破棄予定の傷んだハードカバー本を一旦バラバラに分解して綴じ直し、立派な再生本が出来あがった。今にして思えば雑なものであったが。
よく読む無線綴じ本が次第にバラけてしまうのは腹立たしく、ハードカバーの古書で要修復のものも何冊か手元にある。 無線綴じのページ脱落は接着剤で、ハードカバーの傷みは製本テープなどで誤魔化しているが、やはり本書に解説されているように腰を据えて完全修理すると気持ちがよいだろう。
本書には紹介されていないが、修繕の強力な武器として綴り穴を開けるための手動ボール盤が以前あった。いまでも多分あるだろうが、普通の電動ボール盤も使える(実験済み)。
余談だが、大型古書店では古本を商品化するとき研磨と消毒をする。「本を研磨」とはピンとこないが、ソフトカバー本なら汚れた天・地・小口の3面が安価な固定式ディスクサンダーで簡単に再生できる。 消毒消臭も、アルコール、茶葉、木炭でいずれも実用になる。