本を守りたい主人公側に対し,それを奪おうとする『敵』の存在がハッキリしていて,
さらにこの巻では,保身や出世に必死やお役人や女子寮にて起きる陰湿な嫌がらせなど,
ややもすれば勧善懲悪,さらにラブコメがあってエンタメサイドに目を奪われがちですが,
表現の自由へと深く切り込み,そして自分が無知であったことを思い知らされる1冊でした.
また,制服にまつわる深い因縁と戦いを描いた編では,主人公側が勝利を収めるものの,
相手側にも強い信念があり,それをこれでもかと言うほどに見せつけられたのが印象的で,
敵だから,思想が違うからと,彼らを倒す様子をただ痛快に眺める自分に気づいてハッと….
とはいえ,著者が言うところの『ベタ甘』なラブコメには思わずニヤニヤさせられますし,
テンポのいいやり取りをはじめ,明と暗が交互にあるようでこれまで以上に楽しく読めます.
そのラブコメもあちらこちら,老いも若きもいろいろと駆け引きや想いを巡らせているようで,
完結となる次巻へ向けて,主人公たちだけでなく彼らの行く末も少なからず気になるところです.
なお,巻末にはこれまで同様『単行本あとがき』と『文庫版あとがき』をそれぞれ収録.
『図書隊について』という設定資料では,作中に登場する階級章もしっかり描かれており,
文庫版限定のショートストーリは,
アニメDVD1巻より『ドッグ・ラン』が収められています.
他にも
1巻から続く,著者と俳優の児玉清さんとの対談はこの巻での話題を交えて進められ,
言葉や表現に対する児玉さんの思い,そしてアニメ化に際にあった『裏話』が強く残ります.